“惜別”北斗星         









青函トンネル開業の年、当時凋落期にあった寝台列車の新たな形として華々しく誕生した豪華寝台特急“北斗星”。 「乗ること自体が目的」となるこの列車は、他の寝台列車が次々と廃止される時勢にあってもその名声は高く、今なお寝台券はプラチナチケットといえるほど人気を博しています。しかしながら、いよいよ迫る 北海道新幹線開業に伴う青函トンネルの通行不能という物理的な理由により、惜しまれつつ今度の3月ダイヤ改正で定期列車としての廃止が決定。全般検査の切れる夏までは臨時列車として走るようですが、 只でさえプラチナチケットの寝台券はさらに入手困難に。北斗星には一度だけ開放寝台で函館まで乗車したことがありますが、やはり全区間、それも個室に乗りたいと思い再乗車を計画。 廃止発表前に乗りに行けばよかったと悔いても後の祭り、せめて乗らずに後悔することだけは避けるため今からでもチケット争奪戦に参加です。そして地元駅で初めて行った「10時打ち」で見事寝台券をゲット、 念願叶って日本の鉄道史に残る名列車の生証人となることができました。








旅の出発はもちろん北の玄関口・上野です。北斗星・カシオペアが廃止されれば上野発の夜行列車は全廃。上野東京ラインも開通しましたし、北の玄関口という 言葉は完全に死語になってしまいます。余命宣告を受けながらも、通勤列車に混じって表示される「寝台特急北斗星 札幌」の文字は燦然と輝いています。


早く来すぎたために構内で時間をつぶしたり買出しをしていたら、うっかり入線シーンを見損なってしまいました。。なんてこった・・。
13番線から始まるドラマも最終章に

定期廃止一ヶ月以上前なのにすごい人出です

終点まで乗りますよ!

食堂車はシャワー券を買い求める人で行列

業務用扉だけプラグドア

9号車はロイヤル・ソロ合造のAB寝台



当然ながら先頭の機関車周辺はさらにすごいギャラリーの数です。JR東日本がEF510を新製した時は、北斗星も新幹線開業ギリギリまでは生き延びると思ったんですが・・ 結局機関車はJR貨物に売却するとの事。
「ヘッドマーク」も過去の語り草に

なぜ機関車わざわざ新製した?

ディナーはさすがに手を出せず

9号車AB寝台のオロハネ25



さてお名残乗車で一夜を過ごすのは個室、それも最上級クラスのロイヤルです!只でさえ高い競争率の中、一列車に4部屋しかないにも関わらず果敢にも攻めたところ、 なんと初めて行った「10時打ち」でゲットできました!何日か10時打ちのためみどりの窓口に通うことを覚悟していただけに拍子抜けですが、まさにビギナーズラック。窓口の駅員さんに感謝です。


こちらがA寝台一人用個室「ロイヤル」。一人で過ごすには十分な広さの個室にソファーベッド、さらにはシャワールームまであります!


出発後すぐに食堂車スタッフからウェルカムドリンクのサービスが。北斗星ではロイヤルの乗客にのみ行われる上客へのおもてなしです。白ワインにウイスキーと 内容はまさに大人向け。生憎ウイスキーは飲めないので持ち帰りました。


シャワールームにはシャワーのほか洗面台・トイレも収まっていて、狭い空間でも有効利用できるよう機能的な造りになっています。シャワーはお湯の出る時間が10分の制限がありますが、シャワールーム入口のボタンを押すと タイマーがリセットされるので、夜使ってもまた翌朝利用したりできます。


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洗面台・トイレは折りたたみ式

よく考えて設計されています

右側がシャワールーム

ムーディーなオーディオも流れます



列車に揺られながら一人だけの空間で酒を飲み北の大地を目指す・・・最高に贅沢な時間です。


贅沢の対価がこちら。乗車券¥18,440+特急券¥3,060+A個室寝台券¥17,670。これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれ。・・まあ私は高いと思いますが笑。 変な話、もしこれをオークションにでも出せば、今の時期この何倍ものお金を手に入れることができるでしょう。しかし最近流行のクルーズトレインと違い、A地点〜B地点への輸送という鉄道本来の役割を果たしながら、その移動自体を誰もが羨むものに 昇華させたのが北斗星です。日本を代表するこの名列車が消え去ろうとしているのに金を惜しんでいる場合ではありません。なにせ後でいくら後悔したところで、もう乗ることはできないのですから。
夕食は上野駅で購入した駅弁

車販が回ってきたのでオリジナルグッズを購入



ロイヤル利用者のみがもらえるアメニティセット。ポーチを含め記念に持ち帰りできます。髭剃りや整髪料など内容は男性向けですね。右上の箱はティッシュボックス。 惜しむらくはタオルは個室備品の何の変哲もないタオルしかないので、一般販売のシャワー券とともに購入できるオリジナルタオルがあればよかったです。


さらにロイヤルの特権を活用。食堂車パブタイム中はインターホンでルームサービスを注文することができます。食堂車で食べるほうがムードがあっていいんですが、 廃止発表後は食堂車も大盛況。今日も大宮出発後に既に並んでいる人がいたため(パブタイム開始は郡山あたりから)、部屋でのんびり気兼ねなく頂くことにしました。


ビーフシチュー¥1,650。パンも付いていてこの値段は車内価格としては割とリーズナブルです。肉も柔らかく味は上々。ただルームサービスなので冷めているのは 仕方ないですが、ルーが水溜りのように少ないのはちょっとな〜。


デザートは上野駅で購入した冷凍みかん。長丁場なのでいろいろ買い込みましたw


23:30仙台到着。そろそろ寝ますかね。


案外知られていないですがロイヤルは2人利用も可能で、ベッドを引き出してダブルベッドにすることができます。部屋の3分の2がベッドで占領されるすごい光景。。こうして家のベッドより広いベッドで就寝です。


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〜2日目へ〜