〜2日目〜         









新幹線駅だけあって駅前はビジネスホテルが立ち並ぶ三河安城。しかし新幹線駅なのに在来線は普通列車のみが停車し、新快速・ 特別快速は通過。というわけで豊橋までは少し距離があるので安城で新快速に乗り換えました。


JRと名鉄が同一改札の豊橋駅。一部区間では飯田線と名鉄は線路も共用しています。前回来たのは2012年のIC相互利用開始時でしたが、あれから3年、 この経路判定用のIC中間改札は浸透しているのでしょうか?


窓側席確保のため早めに並んでおきます。写真は2本前の新城行。211系そっくりですが2ドアの213系です。


無事に窓側席確保!8:10発天竜峡行です。新城以遠としては40分、本長篠以遠としては70分、中部天竜以遠に至っては130分ぶりの列車となります。 見たところ普段利用の人ばかりですが、皆さん一体どこまで行くのでしょうか?


相互直通しているわけでもない他社線が同一ホームというのも珍しいですね。当然飯田線よりあちら(名鉄名古屋本線)の方が利用者は多いです。 名鉄列車を横目に発車〜。
名鉄豊川稲荷駅〜

新城でもまだ6割ほど座席が埋まっています

新東名建設中

長篠城駅はお城を模した造り

山奥へ入っていきます

東栄駅の貨物ホーム跡

次の上市場駅まではわずか600m

美しい川の流れ

川沿いの景色とトンネルの連続

鮎とか釣れそうですね



豊橋から2時間余、中部天竜に到着〜。ですがここまで来ても飯田線の旅はまだ序盤。ここから先はさらに田舎になり、 いわゆる「秘境駅」も登場します。


中部天竜は飯田線の中で一つの分界となる駅で、26分も停車します。以前は構内に佐久間レールパークという車両の展示施設が あったのですが、数年前に閉園し現在展示車両はリニア・鉄道館に移設されています。
車両撮影タイム

10:44出発〜

直線距離で言えば大井川鉄道は割と近い

水の色が変わりましたね

水窪(みさくぼ)は意外と栄えてる?

豊橋行伊那路と交換

急峻な山と川に挟まれた険しい地形

長いトンネルを抜けると大嵐駅



最近は列車の旅でもツーリングマップルを持参しているので、地形やどこで橋を渡るかなどが分かってより楽しむことができます。 水窪川に沿っていた線路が先ほどのトンネルで一山越えて今度は天竜川沿いを縫っていきます。


そしてついに来ました、「秘境駅」で有名な小和田です!秘境駅とは周辺に人家や集落がほぼ皆無で、存在価値を失いながらも現代に 取り残された駅のことで、多くは道路アクセスすらも困難な場所に位置しています。天竜川のほとりに佇むこの小和田駅も、付近の集落がダム建設により水没したため周辺は山河しかなく、道路すらも通じていないため鉄道でしか 到達困難という完全に孤立化した駅となっています。


列車が去れば静寂が周囲を包む全く人気のない駅ですが、趣のある木造駅舎もあって人気の秘境駅となっています。ですが列車本数も少ない区間ゆえ、 簡単に降り立つこともできず、今回は車窓から眺めるのみです。


偶然にも三県境界駅というホットスポットでもあります。駅の所在地は静岡県ですが、対岸は愛知県、そしてここから先は長野県へと入っていきます。


切り立った斜面に位置する中井侍駅。こちらも周辺に民家が数軒散在するのみで秘境駅のうちの一つ。


平岡駅に到着〜うってかわって国道に隣接し、駅舎には温泉施設も併設されています。
トンネルの合間にのぞく天竜川

穏やかでミルキーな流れ

これぞ夏のローカル線旅です

天竜川を眺めるにはうってつけの為栗駅

ダム建設で集落水没により秘境駅に

温田駅周辺は久しぶりの集落

人間の営みが展開されています

そしてまた山中を行く



金野駅も秘境駅にランクインされていますが、こちらは秘境駅でも地形上の理由により集落から離れた場所に設置せざるを得なかったという生粋の秘境駅。 なお途中同じく秘境駅で有名で数年前に訪れた田本駅があったのですが、写真を撮り損ねてしまいました。。あの衝撃の「駅前通り」が懐かしいです。


終着天竜峡に到着です。豊橋から4時間という時間の長さを感じさせない道中でした。願わくば秘境駅の駅周辺が実際どんなものか見て回りたいところですが、 停車時間の短さ、列車本数の少なさ故難易度は高いです。そんなニーズを察してか2010年より秘境駅を巡る臨時急行「飯田線秘境駅号」が運転されるようになり、好評を得ているそうです。


20分ほど乗継時間があるので駅周辺を散策します。奇勝地天竜峡は駅からすぐです。遊歩道が整備されているので時間があれば周ってみるのもいいですね。 今日は暑いので駅周辺のみで十分です・・。
ライン下りもやっています

南側は幽玄な雰囲気ですね

花崗岩の侵食が長い年月を物語る

放射能泉の天竜峡温泉



12:34発の茅野行に乗車。飯田線の旅はまだ約半分残っています。


天竜峡からは座席がほぼ埋まるほどの乗車率。見ているとツーマン運転ですが、ドア扱い(半自動)は運転士が行い、車掌は車内改札と乗降終了合図が メインのようです。


元私鉄の経緯で飯田近辺は非常に駅間距離が短いです。1kmほどで次の駅なんてのもザラで都市部顔負け。そのたびに車掌も改札をしたり乗降を確認したりと 走り回っていて忙しそうです。


南信最大の都市だけあって、飯田周辺は立ち客が大勢出るほどの混雑でした。対都市では高速バスに水をあけられていますが、地域輸送として飯田線は 機能しているようです。
田園と南アルプス

リンゴの名産地〜

小川は中央アルプスから天竜川へ

上片桐 13:44



車内も空いてきたので遅い昼食を。豊橋駅で購入した三色稲荷(¥580)です。なお道中あまり補給スポットがないので要注意です。飯田や駒ケ根など大きな駅で乗換えや長時間停車があればいいのですが・・。


※マウスオンで写真が変わります
里山の雰囲気◎の七久保駅

行く先の架線柱が見える急カーブ



与田切川の鉄橋から。地図で見るとこの区間は川の上流へ向かって大きな「Ω」を描く線形となっています。急カーブ急勾配を強いられるなんとも無駄な線形!と 思うところですが、これには地形が関係しています。


長大橋梁を架ける技術がなかった時代、中央アルプスからの急な流れにより深く浸食された川を渡るために、まず河岸段丘に沿って高度を下げ、川を渡ったら再び 大地へ向かって高度を上げながら元のルートへ戻るという形になったのです。このような河川の浸食によって分断された地形を「田切」といい、とくにこの地域で多く見られるそうです。  

※Wikipedia参照
Ωカーブで迂回して飯島駅へ

再びΩカーブ

伊那福岡〜

伊那市〜 15:00



15:40辰野に到着〜天竜峡から3時間、豊橋から実乗約6時間半、無事に飯田線全線完乗を果たしました!飯田線はここが終点となりますが辰野止まりの列車はなく、 全列車がここから先中央本線に乗り入れます。
ほとんどが岡谷止まりですがこの列車は茅野行

諏訪湖〜



茅野で中央本線小淵沢行に乗換え。長かった飯田線の旅も終わり、いつもの中央本線の旅へ。18きっぱーの登竜門とされる飯田線、多くのローカル線に乗車してきた 私でも大いに楽しめました。クルマでも到達できないほどの辺境の地に位置する秘境駅、山間部でも他のローカル線に類を見ないほどの駅間距離の短さ、路線延長の長さ、そして天竜川をはじめ風光明美な車窓の数々・・。飯田線にしか存在しない、 飯田線に乗らないとわからない世界がそこにはあります。感動や癒し、驚きや疲れ・・なにかを感じに、あなたもこの夏、飯田線に乗りにいきませんか?


〆のようなコメントを書いたはいいですが、まだ旅の途中でした。とはいえ往路でも通った中央本線、もはや旅の途中というより帰宅途中です。


小淵沢では期間限定で高原野菜とカツの弁当のプレミアム版が発売中です。実は昨日来た時に予約しておいたのでスムーズにゲット。通常版より800円増ですがメニューはそのままで地元の厳選素材を使用したところが プレミアムとなっています。チキンカツはあの甲斐味鶏(知らん)を使用、野菜やレモンなども通常版より大ぶりになっていました。


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日野春で特急通過待ち

韮崎辺りは築堤で見晴らし良い

甲府で始発に乗換え

セミクロスでよかった〜