〜3日目〜         










最終日はゆっくりめの出発。バス停まで歩きます。バスで人里離れた温泉地に行くというのもいいものです。本当はこの先にある日中温泉が ぬるくていい湯らしいので泊まってみたいところなんですが、バスが廃止になりアクセス困難になってしまうので、難しいですね。


旧日中線の廃線跡を利用したサイクリングロードが整備されているようです。次来るとしたら自転車旅かな?


明日の便をもって廃止になる会津バス日中・千石沢線。すでに全便日祝日運休となっていますが、よほど利用者は少ないのでしょうか。昨晩乗ったときは 定期利用と思われる学生もいてそんなに少ないとも思わなかったのですが。


さてさて、この地に泊まりに来たのも、ここ日中線記念館に行きたかったから。


林の中に佇む赤い屋根が特徴の建物こそ、日中線記念館こと旧日中線熱塩駅。日中線は栃木県今市市から山形県米沢へ至る野岩羽線の一部として建設されました。 野岩羽線の南部は野岩・会津鉄道として開業し今に至るも、北部は計画路線で終わり、間に挟まれた喜多方〜熱塩間の日中線は1980年に特定地方交通線に指定、開業から46年後の1984年に廃止されました。


日中線は朝夕夜の3往復のみというダイヤ設定で、「日中走らぬ日中線」と揶揄されていたそうです。そんな状況ですから熱塩温泉の宿泊客はもちろん 通学の学生でさえも日中線を使わずバスを利用していたとか。まさに宝の持ち腐れというか盲腸ローカル線に対する国鉄の冷遇が現れており、そりゃ慢性的な赤字にもなると思うわけですが、末期はこの熱塩駅も修繕費用がなく荒廃していたそうです。


1974年まで蒸気機関車(C11)が定期列車で使われており、本州最後の線区として当時のSLブームの中賑わったそうです。
廃止にあたり国鉄から寄贈された除雪車と客車

除雪車キの車内

運転室と旋回窓

航空機会社が製造してるあたりが時代を感じます

保存状態がいいですね

長時間乗るにはキツそう・・

野岩羽線が開通していたら・・

駅舎内には貴重な資料が展示

当時の新聞記事

サボもあります

乗車券箱!初めて見ました

100円で硬券入場券を購入して日付を入れられます

熱塩加納村は2006年に合併して喜多方市に

メルヘンな駅舎は今後も遺してほしいです



館内には係の方がいて、色々と説明してくださいました。日中線沿線にはあまり遺構は残されていないようですが、旧熱塩駅は雰囲気のいいところなので興味があるようでしたら 是非行ってみてください。
さて40分ほどの短い滞在で後ろ髪を引かれつつ、バスに乗り喜多方駅へ。喜多方は蔵の街として有名で、駅舎も蔵を模したデザイン。


バスからの乗継時間が短くヒヤヒヤしましたが、若干バスが早着してくれたおかげで難なく間に合いました。新潟からの磐越西線快速あがので会津若松まで。磐越西線は喜多方 以西は非電化なのでディーゼルカーです。


15分ほどで会津若松到着。SLばんえつ物語号にも一度乗ってみたいですね。頭端式のホームはライブカメラが設置されていることで有名。


さて帰りは東北新幹線の半額チケットが取れなかったことですし、会津・野岩鉄道経由で帰るとしますか。どちらも初乗車なのでいい機会です。熱塩から日中線代替バスを含めて まさに野岩羽線を辿る旅です。
11:17発会津鉄道会津田島行。列車は野口英世ラッピング車。青春時代を会津若松で過ごしたらしいです。


生憎満席で座れなかったので後部展望を楽しみます。会津鉄道は旧国鉄会津線が第三セクターに転換されて出来た路線。野岩鉄道、東武鉄道と一体となり首都圏から会津地方への 観光客の輸送に活躍しています。会津田島以南は電化されているので浅草からの直通快速列車もやってきます。


山野と田園風景を交互にしながら会津路を走り抜けます。軽快かつ単調なジョイント音が日ごろの喧騒を忘れさせます。


大川ダム公園駅を発車。山の中の駅は乗り降りゼロも珍しくないです。乗客はハイカーが多め。尾瀬にでも行くのかな?


茅葺き屋根で有名な湯野上温泉駅。大内宿の最寄駅でもあり、さすがに観光客が多いです。会津・野岩鉄道は沿線に温泉地が幾つもあり、温泉と名のつく駅も多くて魅力的。 どこかの温泉地に泊まりにまた乗りに来たいですね。


阿賀川(大川)に沿ったり渡ったり。景色のいいところでは減速してくれました。今日は曇り空なのが残念。


会津下郷で列車の入れ違い。むこうの列車には車掌が乗務していました。


1時間ちょっとの旅で終点会津田島に到着。この界隈では最も栄えている街です。英世ラッピング車にはよく見ると新千円札発行記念と書いてありました。


会津田島から先もまだ会津鉄道ですが、こんな山奥から東武浅草直通列車が発着しています。首都圏とのアクセスがよくなったという点では三セク化して良かったのかもしれませんね。
とはいえ区間快速か・・。せめて快速じゃないと乗り通すのはキツいです。。


今回この列車は会津高原尾瀬口までだけ乗車。車内は総クロスシートでトイレ付きなので中距離な利用には向いています。
さて昼時になったので、会津若松で買った駅弁を 広げます。会津蔵出弁当は山の幸に溢れ素朴な味わいでおいしくいただきました。


弁当を食べていたらあっという間に会津高原尾瀬口駅に到着。国鉄時代の駅名は地名を取って会津滝ノ原だったそうな。ここと次の男鹿高原駅の間にある山王峠(山王トンネル)を境に 東北と関東で分かれるそうです。この先は野岩鉄道になりますが、一旦途中下車。


駅から徒歩数分、国道沿いにある会津高原温泉夢の湯へ立ち寄り入浴します。やっぱり温泉街道の路線に乗っておいて温泉を素通りじゃもったいない話です。


誰もいないので写真を撮らせてもらいました。温泉はかけ流しで微かに硫黄臭がしてぬるっとした感触があり泉質は好印象。建物の内装というか張り紙などは特徴的。露天があるという 情報でしたが場所がわからず入れずじまいでした。


さっぱりしたところで駅に戻ります。次なる列車はAIZUマウントエクスプレス号。料金不要で乗車できます。


車内は転換クロスシート。これで快適な道中が約束されたも同然です。快速運用ですがここから先野岩鉄道線内は各駅停車。


かみみよりしおばらおんせんぐち。長ったらしい駅名ですが塩原温泉郷の玄関口。塩原温泉郷までバス25分だそうで。長野原草津口とかもそうですが、「口」とある駅名は 大して近くなく大抵バスか何かの二次交通を必要とするので注意が必要です。


五十里湖を渡ります。秋の紅葉もよさそうですが冬の雪景色も見てみたいですね。


新藤原からは東武鬼怒川線に入り、鬼怒川沿いを走ると鬼怒川のホテルが段々と増えてきます。


鬼怒川温泉駅到着〜。会津・野岩鉄道完乗を果たしました。


さすがは東武特急が直通する駅だけあって駅舎は立派。駅前は整備された感があります。


駅前にはロープウェイもある丸山とホテル群。鬼怒川はバブル期こそアクセスのよさから首都圏からの温泉客や慰安旅行などの団体客で発展しましたが、現在となっては 熱海と並び廃れた温泉街の代表格ともいわれ、廃業したホテルや旅館の廃墟がちらほら散見されます。ともかく廃墟ホテルをどうにかしないとイメージも下がるばかりだと思うのですが。。


鬼怒川温泉からはせっかくなので東武特急スペーシアで。リニューアルで塗装が変更されています。15:44発きぬ130号。


バブリーな車両だけあってインテリアもJR特急以上のグレードです。平日のため鬼怒川温泉発車時は空いていましたが段々と混み意外と盛況の様子。
このあと私は春日部で下車し 野田線で最寄り駅まで帰りましたが、スペーシアから野田線ロングシート(しかも約1時間)の落差にやられました。。