〜3日目〜         











18きっぷのたびですが、最終日のトップランナーは近鉄名古屋線急行です。これから松阪へ行き名松線に乗るわけですが、JR関西本線の始発に乗っても 名松線の乗り継ぎに間に合わないので、ここは別途運賃を払い近鉄線に乗ります。


近鉄名古屋5時半発の急行鳥羽行。パタパタ式の発車案内はいまや貴重。しかしこんな朝早くから優等列車の設定があるあたりが私鉄っぽいですね。


1時間20分の乗車で松阪に到着。所要時間的にはJRの快速みえと肉薄していますが、JRは単線でしかも途中伊勢鉄道を経由する事から別途運賃がかかり、本数・運賃とも近鉄に軍配が上がっています。 そんなわけでJRはみえ号の回数券を設定し徹底抗戦の構え。


7:24発の名松線下り始発に乗り込みます。乗客は10人ほど。


やっぱりディーゼルカーはいいですね♪振動、エンジン音が乗ってて心地いいです。


40分で終点の家城に到着。あまり人気がないですね。駅は委託駅のようです。


ここからはJR代行バスに乗り継ぎます。名松線は2009年の台風による被災のため家城〜終点伊勢奥津間でバス代行輸送を行っています。JR東海は被害が甚大なことや今後再び災害が起こる可能性があり 安全の確保ができないとの理由で、この区間の鉄道としての維持を断念し、JRの責任でバス転換することを表明しています。


被災から1年以上が経ち、線路は錆び草が生い茂っています。JR東海が名松線バス転換を打ち出した時、それは詳細に写真や資料を用いて被害の甚大さ、鉄道として維持していくことの困難さや非効率性を 訴えており、ついにJRローカル線が淘汰される時代が始まったのだと思いました。もともと国鉄時代にいわゆる赤字83線に選定されていながらも、代替道路未整備を理由に廃止を免れてきたわけですが、今では道路は整備されているのです。一方で鉄道は山間の険しい地形を縫うように走るため 厳しい速度制限・雨量規制が敷かれており、その上輸送密度が低いとなれば、鉄道として復旧せよというほうが無理な話だというのも頷くしかありません。


JR線の廃止事例としてはすでにJR西日本可部線の一部区間が輸送密度の低下と設備老朽化を理由に廃止された一例がありますが、今後はこのように設備老朽化や災害被災をきっかけとしたローカル線の安楽死が 進んでいくのではないかと思われます。JR路線とて安心していられる時代ではなくなったのです。


バスにはJR東海の社員らしき人が乗っており、乗降客数を数えていました。バスはわざわざ途中駅の前まで横づけするため主要道から外れるので時間がかかります。この日は途中駅での乗降はありませんでした。


道は細く曲がりくねっており、この地の地形の険しさを物語っています。名松線の橋をくぐる代行バス。


伊勢奥津に到着。結局終始乗客は3人でした。代行バスなので18きっぷを呈示してバスを降ります。
この日は奇しくも名松線全線開通75周年記念イベントが駅前で開かれていました。


地域住民センターと一体となっている伊勢奥津駅。イベントはまだ時間が早かったため特産品販売や記念品配布くらいのみ行われていました。


伊勢奥津駅のホーム。まあ、地元の方々が鉄道にこだわる理由も解らなくはないですが。ちょっとやっぱり厳しいんじゃないかなと。正直、感情論が先立つ住民運動にはあまり温かい眼差しを送れません。


分断された線路。再び列車が走る日はくるのでしょうか。もちろん、自治体なり地域がそれなりの負担をして必要な路線を存続させるというのなら大いに結構なことだと思います。


さて、付近は伊勢本街道の奥津宿というところらしく、歴史ある風情の街並みが残っていました。今日は駅前はドンチャン騒ぎですが、普段は静かなのでしょうね。1時間ほどの滞在で家城に戻ります。


リニアをつくるカネがあるのに廃止などけしからん!という声もあるかもしれませんが、収益が見込まれるところに投資をするというのがビジネスで、ローカル線の運営などもはや社会福祉的に行っているに過ぎません。 収益の9割を新幹線が稼ぎ、在来線はすべて赤字というJR東海の構造からして、会社の持続的な成長のためには高速鉄道に経営資源を集中させ、そこで得た収益という果実をもって在来線ネットワークを維持するというのがビジネスモデルなのです。非効率で維持どころか再起すら困難な路線を復活させるというのなら まず民営化が間違いだったという話になりますし、そもそも国鉄時代にすでにこの路線は廃止対象に選ばれていたのですから、もはや一民間企業の経営体力に依存して合理性を欠く路線存続を訴えるのは酔狂とさえ見えてしまいます。


JRの主張するバス転換理由は至極真っ当で正論です。そこをなんとか・・という意見も解りますが、JRの責任でバスを運行するというのですから、地域交通という面からみれば早急に妥結し本数増などの譲歩を引き出した方が 得策ではないかと思いました。
さて、松阪に戻り今度はJRの関西快速みえで名古屋に戻ります。その前に駅のそば屋で伊勢うどんなるものを食してみたのですが、これが大ハズレ・・。めんはフニャフニャ、かけてあるタレはよくわからん味、ネギは消毒くさい・・。一度食べただけで伊勢うどん全体を否定するつもりはないですが、 出されたものを残そうと思ったのはかなり久しぶりです。ほとんど我慢して?食べましたが。。このまままではろくな思い出が残らないので、駅弁の「モー太郎弁当」を購入。


以前乗った時は満席で立ち席となったみえ号ですが、今回は松阪からの乗車とあって空きがあり自由席でも座れました。津〜河原田間は伊勢鉄道を通るので車掌検札の際に別途運賃490円を支払います。13時過ぎに名古屋に到着。


名古屋から豊橋乗り換えで新所原へ。ここから天竜浜名湖鉄道に乗ります。駅舎はJRと隣接していて、うなぎ屋さんもあります。うなぎ弁当を買おうか迷った挙句買わなかったんですが、せっかくだから買えばよかったと後から後悔・・。


JR駅のトイレを借りがてら跨線橋から眺める。今日は天浜線の西側半分と遠州鉄道が乗り放題のきっぷ「共通1日フリーきっぷ」を使います。新所原から新浜松まで、途中乗り換え駅の西鹿島で降りるだけですが、普通きっぷよりも30円お得。


天浜線の西区間は浜名湖も眺められてGOOD.この中にうなぎがたくさんいるんですかね。


もう夕方なので学生客が多いです。でもそこまで混み合ってません。


西鹿島で下車し、遠州鉄道に乗り換え。遠州鉄道は「Nice Pass」というICカードを導入しているので購入。しきりに記名式をお勧めされてしまいましたが、無記名式を購入。後で知ったのですが、ちょうどこの日に「ジュビロ磐田優勝記念Nice Pass」 という記念ICカードを発売していたらしいです。全然知らんかったし掲示も出てなかったし・・。どうせこんな時間には売り切れていたと自分に言い聞かせました。


通称赤電と呼ばれる遠鉄電車。駅間は短く本数もそこそこあるので利便性は高いです。


毎度、終盤になると写真が少ない気がしますが・・。静岡からまたも特急車両充当の普通列車東京行で帰郷。快適に旅の最後をしめくくります。冷凍みかんを買うのを忘れずに。黒はんぺんはもういいです。


ムーンライトながらに使用される373系。ながらに乗ったのはちょうど1年前の西日本のパスの時が最後だな・・ってあれからもう1年経つのか〜。就職して環境も変わりいろんなことがありましたが、こうして趣味の旅を続けられるのは幸せなことなのでしょう。


浜松駅で買ったひつまぶし弁当。缶のお茶とだしの素がついているので、お茶漬けにしたりとその名の通りひつまぶしのごとく食べられます。


平塚あたりから大混雑してくるので、大船で下車し総武快速のグリーン車に乗り換え。こちらはガラガラです。今更ながら松阪駅で買った駅弁を食します。フタをあけると童謡「ふるさと」のメロディーが流れるユニークな仕掛けになっています。 今回もいろんなローカル線に乗れて大満足。さて、残りの18きっぷ赤券でどこへ行こうかな〜。