〜2日目〜         





本当なら今日は稚内へ行き最北の駅弁を食べ宗谷岬を目指す予定でしたが、稚内地方暴風雪の予報のため急遽予定変更。 帯広へ向かうことにします。暴風雪の中宗谷岬へ行ってもネタ的には面白いですが、真っ白でなにも見えないのは火を見るより 明らかで、そもそも列車が止まってしまう可能性だって高いですし。そんなわけでいつかは訪ねたいと思っていた愛国&幸福駅 へ行くことに。いつか北海道自転車ツーリングの機会があればその時に訪れるつもりでしたが、今回前倒しでの訪問となりました。 安宿を出発し、札幌駅へ。駅弁を調達し釧路行きの「スーパーおおぞら1号」に乗ります。帯広まで2時間ちょっと。乗車予定だった 「スーパー宗谷1号」なら稚内まで5時間なので、ずいぶんおとなしくなってしまいました・・。しかし目的地に着いてからのイベント的には こちらのほうが面白そうなので、期待に胸膨らませて発車を待ちます。7時過ぎに札幌を発車し、南千歳を出て落ち着いてから駅弁を広げます。 今日の駅弁は「かに三種味くらべ弁当」。タラバ、ズワイ、毛がにの三種が楽しめる駅弁です。タラバは身がしっかりとしていて食べ応えあり。 ズワイは繊細で風味よく、毛がには味よし。まさに味比べできます。さて、この列車は新夕張は停まらないのですが、石勝線の新夕張〜新得間は 普通列車が運行されていないことで有名。そのため新夕張〜新得の間だけなら18きっぷ含む普通乗車券のみで特急に乗れます。とはいえこの列車は 新夕張に停まらないので事実上普通乗車券だけでは乗れません。どうせなら特急は全列車両駅に停めて欲しいですね。山間に突如立派なリゾートホテルが 現われ、スキーリゾートで有名なトマム駅を過ぎ、狩勝峠を越えると新得に到着。そして次の停車駅は帯広です。

旭川行きの新型スーパーカムイ

SおおぞらのHMには湿原のタンチョウ

かに三種味くらべ弁当

特急しか停まらないトマム駅



9時20分帯広に到着〜これから愛国駅へ向かいます・・といいたいところですが、列車を降りるときにカメラを座席に忘れたことに気づき (実際には持っていた)、戻っている間に発車。。そんなわけで帯広は過ぎ次の池田駅で下車です。やれやれ・・帯広で乗る予定のバスは そんなに本数が多くないのでまた予定の組直しです。どうやら愛国&幸福駅訪問は可能ですが、かなり接続が悪くなってしまいました。 それはさておき、本来なら数分の待ち合わせで上りの特急がやって来るのですが、今日は強風のため運休だとか・・。普通列車は運行している らしいので、仕方なく1時間後の帯広行き普通列車を待ちます。強風ですか・・なんかいやな予感がしますが、ここまで来て何もせずに帰るわけには 行かないので、天気が良くなることを期待してしばし駅前散策。池田はワインの町のようで駅前にはコルク抜きのモニュメント。どうやらワイン城 なるものもあるようです。売店ではカップめんのワインラーメンが売っています。。今思えば、ここまできたのも何かの縁とかいって 買えばよかったですね・・見た感じ&想像上はかなりのキワモノだったんですが・・。そんなこんなでどうにか1時間のヒマをつぶし、普通列車で 帯広に着いたのは11時。

駅前の様子が想像に難くない駅舎

栓抜きのモニュメント

十勝と付くと何でもうまそうに聞こえる〜

誰でしょう?

幕別駅〜

まもなく帯広〜



帯広に着いたらすぐに広尾行きのバスに飛び乗ります。明らかに旧国鉄広尾線の廃止代替バスですね。はじめのうちはイトーヨーカドーを通ったり 市街地を走っていたのですがしばらくすると何もない道をひたすら走ります。信号もなく誰が乗るでもなく誰が降りるでもなくひた走り、およそ40分で 愛国に到着。きちんと「愛国駅へはこちらでお降り下さい」とのアナウンスが流れるのではじめてでも安心です。
「愛国駅」とかかれた矢印看板の方へ進むと、突当たりに愛国駅が!かわいらしい駅舎で、パッと見は現役の駅舎のようにも見えます(むしろ現役より立派?)。 脇の「交通記念館」と書かれた看板が、この駅には列車がもうやってこないことを伝えています。愛国駅は昭和62年に廃止された、帯広と広尾を結ぶ 旧国鉄広尾線の駅で、2つ先の「幸福駅」とあわせて「愛の国から幸福へ」のキャッチフレーズで縁起の良い駅名ということで全国から爆発的人気を博した駅です。 いわゆる記念入場券のはしりとなったわけですが、あえなく廃止となった以後もそのままの形で残され、愛国、幸福両駅とも道東の観光名所となっています。 今のように「○○駅⇒××円区間」という切符ではなく、当時は「愛国から幸福行き」とダイレクトな形態というのがいいですね。現在でも地方ローカル線では 新設駅を縁起の良い名前にしたり、「(日付の)10並び記念入場券」など出していますが、愛国&幸福に端を発するブームにあやかったものといえます。
駅舎内に入ると往年の品々の展示やこの地を訪ねた人々の名刺などがたくさんあります。末期の広尾線は往復6本/日でしたが、広尾線ほどたくさんの人に惜しまれながら 廃止となった路線も珍しいのではないでしょうか。駅の外には「愛国から幸福行き」のきっぷの立派なモニュメントが。今日はやっていませんでしたが、今でも売店でこの切符を 売っているそうです。その隣には「恋人の聖地」とかかれた碑。今どきのデートスポットに向いているかどうかわかりませんが、今でも静かにブームは続いているようです。 ホームへあがると今度は蒸気機関車が展示されています。雪よけのためか、シートがかぶさっているため残念ながら見えません。今日はやはり風が強く、シートが音を立ててたなびいています。 駅舎横の休憩所で風をしのぎ、次のバスを待ちます。。次のバスは12:51。1時間ちょっとの待ち時間はいいほうです。こうして再びバスに乗り、どうも地名が少ないのか「大正○号」など 似たような停留所をいくつも飛ばして走ります。「次は大正16号〜」

バスのたび〜

「愛国」に到着

メルヘン?な愛国駅

なんか悲しくなりますね・・

岩泉線よりマシじゃん!

切符のモニュメントは初めて見たよ

愛国鉄道記念館〜

機関車は冬眠中。



15分ほどで次の幸福駅入口に到着。バス停からは帯広空港方面に少し歩きます。赤いディーゼルカーを目印に進むと、雪原と防風林の中に幸福駅 発見。ディーゼルカーも2両展示されています。野晒しでも打ち果てた様子はなく保存状態は良好。駅舎は昔のままの木造で、内側には一面 ものすごい数の名刺やプリクラが貼ってあり、神々しくもあります。ある程度下調べしてあったので様子は知っていましたが、実際見ると すごいですね。駅舎をくぐると鐘があり、どうやら結婚式が行われることもあるようです。ホームには郷愁漂うオレンジ色のディーゼルカー。 広い青空と白い雪とのコントラストが絶妙。晴れでよかった〜!なかなか絵になる光景です。「幸福」の名の由来はもともと「幸震」という知名だったのが、福井県からの 入植者が多かったため頭文字を一つずつとって幸福にしたのが由来だそうです。それにしても空が広く青く気持ちがいいですね〜、風が強いですが・・。 売店があったので「愛国から幸福へ」記念切符などいくつか購入。売店のおじさんはなかなかユニークな人です。愛国駅よりもこちらは訪問者が多いです。 もちろん恋人同士も。はぁ〜(なんのため息?)。
さて、念願叶って訪問できたので目的は果たし、帯広へ帰ります。帰りのバスは・・15:02。滞在時間2時間。さすがに幸福駅だけで2時間費やせるわけもなく、 かといって周りには何もないので、バスが来るまでの間待ちぼうけ。心を無しにて青空を眺めたり・・。こうしてただ雲の流れを追っていると、なんとなく 北海道に移住する人の気も分かるような気がします。思いがけず、せわしない喧騒から離れて一時のやすらぎを得て、バスに乗り込みます。

ディーゼルカー出現

ついに来た幸福駅

現役時代に訪ねてみたかった〜

この4文字に魅せられて人はやってくる

なんかいい風景〜

売店では幸福行き切符発売中!

後ろは防風林かな?

広い青空〜



16時前に帯広に着き、駅弁でも食べながら特急に乗って帰ろうと思ったんですが、16:05発のスーパーとかち8号は強風のため運休とか。。 後続の17:44発スーパーおおぞら12号は運転するというので、指定席を取っておきしばし待ちます。その間に帯広に来たので名物の豚丼でも 食べよう!ということで、適当に調べて駅近くの「ぱんちょう」って店に行くことに。豚丼専門店のようでメニューは松竹梅の3つと再上級の華で、 盛り具合が違うらしい。腹が減っていたのと見栄を張って松を頼んでみると・・ん、なんだ?思ったほど盛が少ないな・・せっかく上物を頼んだのに 〜ってこれだったら梅はどんなんだろう?とか思いましたが味のほうに関しては間違いはない。タレもしつこくなく、炭焼きの香がほのかにします。 そんなわけで満足し、駅に戻ります(後で調べるとこの店は松と梅が一般とは逆で、自分が頼んだ松は一番安いやつでした・・)。駅へ戻ってもまだ時間があるので 駅ビルの本屋などで時間を潰し、適当に待っているとアナウンスが・・「17:44発のスーパーおおぞら12号は60分遅れで釧路駅を出発・・」ばかやろー!! そろそろやってくる頃だと思ってたら今ようやく始発駅を出発しただとー?そんなに止まってるなら運休にするかノロノロ運転でもいいから発車させろよ!とあまりの 思いがけなさに取り乱してしまいましたが、おそらくJRも運休にしたいところ中途半端に運転するなんてアナウンスしてしまったために後に引けなくなってしまったのでしょう。 それともいい加減動かさなきゃという社会的責任?使命感??それはいいとしてとにかく旭川のホテルの予約のキャンセル含めて色々考えなければならないかも・・。札幌に1時間遅れで 着いたとして到着は21時でそれから旭川への特急は・・うんぬん。いっそ帯広に泊まろうかと思いましたが、高い宿しかないので、どうにかして予定どうり旭川の安宿にたどり着かなければ なりません。しばらく考えを巡らせたりしてウロウロしていると、列車の遅れは80分に・・。特急は120分遅れで特急料金を払戻しなければなりません。まあ、自分は乗り放題切符なので 適用外ですが。。と、そのとき、行先表示器には「快速狩勝 旭川行 18:28発」との文字が。このままいつ札幌に着くかも分からない特急を待つより、旭川へ1本でいける快速に乗ったほうが いい?いいかな?いいだろう!ということで普通列車は運転していることを確認し快速狩勝に乗車。列車は10分弱遅れて帯広を出発。これでもうあとはどうにでもなれ!と思いましたが 列車は順調に進み、途中の富良野はほぼ定時に到着、こうして無事に終点の旭川に到着しました。一時はどうなるかと思いましたが、どうにかなるもんです。ちなみに本日の 運行状況を確認したところ帯広方面の特急は運休の山でしたが、稚内行きの特急は運休や大幅なダイヤ乱れはなかったらしい・・。まあとにかくよかったよかった。うっすらと雪が積もった旭川で 「一蔵」という店で旭川ラーメンを食べ、安宿に着きました。

立派な帯広駅〜池田駅とは(ry

豚丼「ぱんちょう」は有名店でした

最も廉価なのは「松」です

盛大にダイヤ乱れ・・

快速狩勝に乗車変更

無事に旭川到着!

旭川は雪の街〜

一蔵のラーメンで暖まる〜