〜4・5日目〜         





会津で過ごした夜は短く、今日も夜も明けきらぬうちにホテルをチェックアウト。コンビニで物資を調達し、駅へ向かいます。 会津若松からのトップランナーは、今回のたびの目玉の一つ、只見線です。只見線は普通列車のみの運行で、全線踏破するには片道4時間 以上かかります。その全線直通列車も1日往復3本のみと、日本有数の長距離閑散路線なのです。部分廃止含めいつ廃止されてもおかしくはない 路線ですが、只見線沿線は日本有数の豪雪地帯で、併走する国道252号が積雪のため冬季閉鎖されるため、冬季の唯一の交通手段として廃止を 免れています。そんなローカル線の雄は風光明媚な車窓と相まって鉄道ファンから絶大な人気を集めており、ぜひ自分たちも時間のある 学生のうちに乗っておこうというわけです。会津若松のホーム向かいには会津鉄道の列車が発車時刻を待っています。野口英世のラッピングが 施されていますが、なにか関係があるのでしょう。会津鉄道の会津高原尾瀬口行が発車した9分後、5:59に只見線も発車します。 意外にも車掌が乗務するようです。

会津の街はまだ眠っています
向かいは会津鉄道野口英世列車〜

列車は少ない旅客を乗せてまずは平野部を走り抜けます。乗客の内訳は高校生4:一般3:ファン3といった感じでしょうか。 朝早くからご苦労なことです。沿線は早くも市街地の面影なく民家が点在する閑散とした風景に。駅舎はコンテナ改造の簡素なものであったり、 小奇麗なものであったり。まあ例外なく無人駅です。列車は徐々に山へと進んでいきますが、さすがに3月ともなるとそこまで雪は積もっていない 様子です。紅葉の時期はさぞかし美しいであろう渓谷をいくつも通り過ぎます。列車交換のための長時間停車もローカル線にはつき物。しばしの 撮影タイム。
朝靄の平野部を行きます

コンテナ駅の会津坂本

会津檜原〜シャッター閉まってますよ・・

山へ山へ〜紅葉の時期に来たいですね

このへんの道は通れるようです

会津川口で列車交換

会津川口でそれまで少しづつ集めていた高校生が一気に下車。車内はガラガラに。中には会津若松から乗っていた人も・・ここまで通学してるの?? ちなみに会津若松を出て会津川口に着く列車は我々が乗り込んだ列車の後は1時間半後なので、乗り遅れたら2時間目からというレベルで済みますが、 会津川口より先へ行く列車はその6時間後・・いかに通学高校生のために運行しているかがわかります。。それもそのはず、ここから先新潟県境に近づくにつれ 積雪量が増してゆき、陸の孤島状態になるのです。只見のあたりは一番積雪量が多いようですが、正直、このあたりに住む人の気が知れないです。 只見の次は冬季休業の臨時駅田子倉です。あまりの雪深さのためか、スノーシェードのなかにある特異な駅です。駅名の通り、この辺りには発電用ダムで 日本第二の貯水量を誇る田子倉ダムが広がっています。只見線のこの区間は険しい山岳ダム建設のために敷かれた鉄道を転用したという歴史があります。 豪雪による豊富な雪解け水と険しい地形のもたらす落差が水力発電には最適だったようですが、あまりにも気候条件が厳しく、この付近の国道は冬季完全閉鎖 となり、雪に埋もれます。鉄道と道路、どちらが雪に強いかといえば、昔ならともかくいまでは怪しいところですが、一応鉄道がこの地域を結ぶ唯一の 交通機関となっています。3月でもこの積雪量ですから、真冬はもっと凄いでしょうね・・そして車窓はいつしか幻想的な風景に。まるで水墨画のようです。 今まで見たことのない雪景色に陶酔していると、いつしか列車は長旅を終え、終点の小出に到着です。4時間超の只見線のたび、一度体験してみては?もし乗るなら 今度は紅葉の季節がいいですね。

山奥のローカル線

会津川口から車内はガラガラに・・

人家も見当たらないです

吹けば飛ぶような会津越川駅

スノーシェードが連続します

ものすごい雪です

ホームが足りない!会津塩沢

ちょっと窓を開けて・・寒っ!!

国道はずっとスノーシェード続き〜

(臨)田子倉通過〜ホームは反対側だったよ。。

水墨画のような景色〜!

只見線桃源郷行き?

只見線ですっかり満足した気になっていますが、時刻はまだ10時過ぎ。今日のたびもまだ半ばです。小出駅で次の上越線まで40分ほどの 待ち合わせがあるのですが、案の定何もないので手持ち無沙汰に・・小出駅は業務委託駅のようですが、ふと、小出駅に寄せられた「お客様の声」と その回答を見ていると、いろいろ「ベンチを増やして欲しい」とか「営業時間を長くして欲しい」とか書かれているのですが、どの回答も 理由を並べ立て、最後は「現状でのご理解賜りますようお願い申し上げます」で〆られているのが笑えました。結局改善する気ないんかい!そんなことで 時間を潰し、上越線で六日町へ。只見線の後に上越線に乗ると懐かしくもつまらないような感じになります・・。それはさておき、六日町から今度は 北越急行に乗ります。今回は各駅停車です。魚沼丘陵駅で前乗り後降りのワンマン運転に慣れていないおじさんが乗ろうとしてあたふたしているうちに 列車が発車してしまい、どうなるかと思ったら運転士が気づき、急ぎ急停車。緊急でドアを開けて事なきを得ました。その後トンネル内の二箇所の信号場で 特急待避のトンネル内停車があるかと期待したのですがなく、あっという間に直江津に到着。直江津からは乗り得列車「妙高号」で長野へ向かいます。 この列車は快速にもかかわらず特急車両が使われる快適列車。西日本パスの旅のときの「くびき野」と同じ類です。設定本数は少ないのにうまく合わせることが できました。車内では寝たりトランプをしたりしながら過ごし、1時間半ほどで長野に到着。長野では乗り換えのためふらふらする余裕もなく、すぐに 快速みすずで松本へ。

ほくほく線の駅名標は片岡鶴太郎が描いてます

まつだい駅〜

乗り心地も良いほくほく線列車

直江津到着  13:06

直江津からは妙高号で

かつての信越特急あさま号の車両です

長野から松本へ向かう篠ノ井線といえば、途中の姨捨駅が日本三大車窓のうちの一つに数えられる絶景地です。駅からは善光寺平が一望・・ 出来るはず・・でしたが、あいにくの曇り空。それでも開けていていい景色でした。しかもこの駅は今や珍しいスイッチバックの駅で、 ファンには二度楽しめる場所です。停車時間もそこそこあり(全列車がそうかは不明)、おば様方が降りて写真撮影に興じていました。 鉄道旅を楽しんでいらっしゃるようで何よりです。松本駅には16:25に着き、そういえば長野支社見てない・・というのを今更思い出しながらも、 結局見るだけ見て何をするわけでもないという時点でそれほど重要ではないイベントなのは 明らかなのでお構いなしに先へ進みます。レモン牛乳から始まりみちのくを巡り最果ての地を踏破した旅もここまで来ればもう終盤。 普通列車で甲府に着いたのは19時前。今夜は甲府が寝床です。残すは八王子支社と横浜支社。旅もいよいよクライマックスです。

姨捨到着〜ベンチが外向きですよ

日本三大車窓〜善光寺平を一望〜

スイッチバックで上ってきます



車両は普通の快速みすず








・・え〜〜おはようございます。甲府で朝を迎えた最終日ですが、ここまで戻ってくると目新しい路線もなく、散々ローカル線を乗り回したため幾分食傷気味になってます・・。 予定では八王子から横浜線で横浜〜帰途というつもりですが、面白みに欠ける・・・ということで身延線に乗ろうとか東京湾フェリーに乗ろうとか川越で駄菓子でも大人買いしようか などいろいろ案を出し合ったりしながらホテルでのんびりしていたのですが、結局、それまでの思い出が色褪せないように(?)ということで、横浜支社は放置して八王子で解散することに。 中央線で八王子まで行き、改装工事中?の八王子支社を見学。その後、自分は八高線で帰るので、Yさんを廃島(すたれじま=拝島)に行こうとかいっておびき寄せ、高麗川まで連れ出し た後についに別れ、そのまま高崎まで帰りました。なんだかんだで尻すぼみになってしまいましたが、一生分といっていいくらいローカル線に乗り回せて楽しかったです。 これで心置きなく学生から社会人になれる!?

甲斐大和  10:35

最後は八王子支社〜