2日目の朝を迎えました。今日は三陸海岸沿いを行き、東日本一の閑散路線である岩泉線に乗ります。
ローカル線の真髄を味わう旅は、あおば通駅から始まります。なかなか優れたデザインの駅名標を後にし、
一駅移動して仙台へ。ここからは快速南三陸1号に乗ります。東北本線から石巻線・気仙沼線に直通して
気仙沼まで1本で行けます。しかもこの列車、外観は普通のE110ですが、中はリクライニングシートが装備されています。
それも自由席なので指定席券も不要。かなり乗り得列車です。2時間の道中なのでいろいろ買い込んだりして
早めに並ぶ必要があります。こうして仙台を8:54に出発。あ、仙台支社見るの忘れた・・・
快適リクライニングに身をゆだね、列車は軽快に飛ばしていきます。自分は普通列車よりかは快速・在来特急が 好きなので満足満足。この5日間の長きに渡る北海道&東日本パスの旅のつかの間の休息にも思えてきます。 気仙沼に近づくと進行方向右側には海岸沿いの景色が登場!なかなか綺麗です。 | |
2時間はあっという間・・という程ではないですが早く過ぎ、気仙沼に到着。乗り換え時間があるので駅の外に出てみます。 観光協会の方が旗を振ってお出迎え。いい街ですねぇ。とはいってもあまり降りる人は少なく・・。でも海の幸もあるし、 一度は泊まりたいです。気仙沼駅の売店ではふかひれも売っています。ぐっ・・高い・・。で結局、Yさんはふかひれスープ、 私はふかふれ酒用のふかひれを購入。程なくして今度は大船渡線に乗りおよそ15分で盛に到着。盛からは第三セクターの 三陸鉄道で三陸海岸沿いを行きます。三陸鉄道は18きっぷや北&東パスを呈示すると「三鉄1日とく割フリーパス」を購入できます。 南リアス線用は530円で、普通に片道乗り通すだけでもお得になります。三陸鉄道は国鉄路線が第三セクター化された路線で、 当時初の転換事例だったそうです。地形に沿ってずっと海沿いを走る、というわけではなく、比較的新しい路線なので建設技術の向上により トンネルや橋梁で比較的まっすぐ貫くように路線が敷かれています。そんなわけで結構トンネルが多いです。途中の高台にある恋し浜駅は恋愛成就の駅として 「小石浜」から改名した駅だそうです。というわけで一応記念に「恋し浜」に停車した際に整理券をもらっておきます。なんとか写真も撮れました。 各地の三セクは懐石列車など収益増に励んでいますが、これもその一環でしょう。若干立ち客がいた車内が空いてきた頃、笹かまぼこ(ふつうのコンビニのやつ・・) を食し腹ごしらえ。 | |
およそ1時間で釜石に到着。良い乗り継ぎ時間で山田線へ。山奥目指して列車は進みます。沿線の日影の部分にはまだ雪が残っています。
宮古で乗換え。この辺りまで来ると最果ての地に来たという感があります。宮古から希少な岩泉線直通の列車に乗ります。直通列車が希少なのではなく、
岩泉線の列車自体が希少なのです。なんと言ったって一日往復3本!!末期どころか飼い殺し状態の超ローカル線です。一日3本で気動車、各駅とも
無人駅という徹底して省力化がなされていますが、保線も大変でしょうし、廃止にしたほうがいいんじゃ・・。私は無理にローカル線の存続を主張しません。
地域でどうしても必要というのなら、三セク化するなどして地域で鉄道を守るべきだと思います。JRに任せてもご覧の通り飼い殺しですし、
末期状態のローカル線に新幹線や首都圏で稼いだ売り上げを廻すよりももっと鉄道の強みを生かせるようなところに投資した方が結果として鉄道の
発展に繋がると思うわけです。2010年4月3日号の「東洋経済」鉄道特集によれば、岩泉線の営業係数は353.9とJR東日本ワースト1となっています
(営業係数とはその路線で100円の収入を上げるために必要な経費を表したもので、数値が100以下なら黒字、以上なら赤字となる)。そんな中、2010年7月に豪雨の影響で
岩泉線にて営業列車ごと土砂に埋まるという災害が発生。越美北線や名松線など他の路線でも災害発生は存廃問題に繋がってきましたが、ついに岩泉線も
廃止か!?と思いきや、代替道路未整備のため廃止にはならない様子。まあ、JRも赤字といっても規模が小さいので、企業イメージへのマイナスを考慮すると
生き永らえさせる道を選んだのでしょう。トンネルを通る度に屋根上からバラバラッという何か固いものに当たるような音が・・先頭にかぶりついて観察していると、どうやらトンネル入り口に出来た
ツララが当たっているようです。しかも後で車外から見てみるとツララ切りが屋根上に設置されていました。。営業列車でそんなことをするとは、恐るべし岩泉線。。そんな岩泉線の列車はもちろん
少ない乗客のまま終点の岩泉に到着。岩泉駅は簡易委託駅でおじいさんがのんびり仕事していました。駅舎は比較的立派ですが、時刻表は寂しい限り・・。
折り返しの発車時刻までしばし周辺をふらふらしますが、何もない・・この滞在時間のうちに「何もないがある」という名言が生まれました。
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岩泉駅発本日2本目である17:20の列車で岩泉駅を後にします。山田線との接続駅の茂市で乗り換え、山田線で一路盛岡へ。山田線も岩泉線と似たり寄ったりの
閑散路線です。列車は途中の区界で交換列車待ち。この区界駅、JR東日本最少乗降客数の駅です。にも関わらず列車行き違いのため快速も停まります。
待ち時間の間降り立っては見ましたが、もちろん降りる人も乗る人もおらず、ただホームに雪が山積しているのみでした。そんな陸の孤島のような地区を抜け、
盛岡の一つ二つ手前の駅になってようやく人の気配のあるような沿線になり、20時半頃盛岡に到着。いや〜街の灯り、人の息吹が懐かしいです。
盛岡駅で駅弁の値引き販売をしていたので、願ったり叶ったりで2つほど購入。殿様商売の?盛岡支社を見学。駅前のルートインにて駅弁とにごり酒で至福の晩餐、
究極のローカル線を旅した2日目は終わりました。
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