発売期間の再々延長の末ついに実行することとなった西日本パスのたび。我々が利用するのは
3日間乗り放題+グリーン車8回で23,000円のパターンです。東日本地区では乗り放題系の切符はよく発売されるのですが、
西日本地区におけるこの手の切符は18切符を除いては画期的なのではないでしょうか。最も、JR東海という難所があるわけですが・・。
乗り放題系の切符も充実せず東海道線の静岡地区にやる気を出さない新幹線至上主義のJR東海の存在は、西日本方面遠征の
文字通り難所なのです。と言うわけで、今回のたびはJR東海を介さない北陸から攻めます。信越本線/北陸本線の直江津は
JR東日本と西日本の境界駅であり、関東から最も近いJR西日本エリアです。ということはもちろん直江津から西日本パスが
有効=直江津から特急が乗れる、ということ。ってなわけで「西日本パスのたび」の始まりは、高崎から青春18きっぷで
直江津まで向かうという普通列車の苦行から始まります。
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北高崎駅で青春18きっぷにスタンプを押してもらい、旅はスタート。まずは高崎へ。お互い住まいは近いのに友人はバスで高崎へ。高崎で 落ち合い、8時28分発の上越線に乗ります。終点の水上で長岡行きに接続する列車です。上越国境を越える列車はかなり本数が少ないので 乗り遅れたら大変です。余裕でボックス席を確保し、高崎支社にたむろする115系に揺られることおよそ1時間で水上に到着です。 車窓から見た谷川岳のお膝元である水上はひんやりとした空気に包まれていました。早くも遠くに来たような感覚ですが、旅はまだ序盤も序盤。 急ぎ長岡行きに乗り換えます。上越国境の長いトンネルを越えるとそこは雪国・・ではありませんでしたが、田園風景を進んで越後湯沢も過ぎ、 長岡駅に到着。 長岡駅でしばし接続列車待ち。この間を利用して駅前をふらふらし、駅ビルの中で「イタリアン」を食します。 「イタリアン」とはヤキソバの上にミートソースをかけたゲテモノで、昨今流行のご当地B級グルメです。自分はその存在さえ知らなかったのですが、 Kさんにいわれ、せっかくなので恐る恐る食べてみることに。ってKさんは買ってない・・イタリアンの存在を知っている人が買わない時点で 高が知れるイタリアンでしたが、・・まあ、思ったほど悪くはない、むしろうまい部類に入ります。小腹が空いた時にはいいかもしれません。 \320でそれなりにボリュームがあります。 | |
イタリアンでうまい具合に時間つぶしができ、12:39発の信越本線に乗り込みます。ここでおよそ30分ほどの乗車で
途中下車、東三条で弥彦線に乗り換え。弥彦線は1本/hという末期状態のローカル線。我々が乗り込んだ列車は
高校生だらけでした。どこへ行くかと思えば燕三条のつぎ、西燕で下車。駅の時刻表には終業式特別臨時ダイヤを
知らせる貼り紙が。えらく地域密着。おそらく全国版の時刻表には載らない臨時列車でしょう。それはさておき、これから
またもやご当地グルメ、「燕ラーメン」を食べに行きます。徒歩十数分でKさんが調べた名店「杭州飯店」に
到着。見た目はどこにでもある辺鄙な中華料理店ですが、中はそれなりの客入り。もちろん燕ラーメンを注文します。
そしてどんぶり一杯に盛られたラーメンがやってきました。そのラーメンは背脂たっぷりで、見るからにこってり系。
トッピングがねぎではなく玉ねぎなのが特徴的です。さてお味は・・お、意外やスープはかなりあっさりしています。
しょっぱい味で、魚介系(Kさん曰く焼アジ)の出汁が効いています。燕ラーメンは金属加工で栄えた燕の町の
工場労働者が、汗をかくのでしょっぱめの味を求めた所から始まったそうです。その後改良を重ねて現在のスタイルになった
そうですが、確かに上品にというよりは仕事の合間や運動の後にかき込みたいラーメンです。
さて、燕ラーメンを食べ終わったはいいのですが、弥彦線は本数が少なく暇をもてあましてしまいます。付近はなにもないので、 新幹線停車駅の燕三条まで歩くことに。およそ3kmの散歩。燕三条駅近くにゲームセンターがあったので時間調整がてら頭文字Dで 白熱対戦し、弥彦線で東三条へ戻ります。ちなみに燕三条の弥彦線のりばは無人で改札機すらない有様。 こんな駅が新幹線との乗換駅とは、さすが政治駅です。ちなみにこの駅は燕市と三条市の境界上にあり、そのため 駅名を「燕三条」にするか「三条燕」にするかというくだらないことで大いに揉めた歴史があります。 | |
東三条から信越本線に乗り、新津に着いたのは16時半頃。新津でまたマニアックな観光をします。およそ20分ほど
歩いて目指したのは新津温泉。温泉?いいじゃない〜と思うべからず。この温泉、ただの温泉ではありません。
なんと、石油成分が含まれている温泉で、強烈な石油臭がするとのこと。そんな温泉に惹かれる私とそれに快く
OKするKさん。・・そんなわけで一軒しかない新津温泉でお婆さんにお金を払い、新津温泉に入ります。
時間帯もあってか浴室は地元の人でいっぱい。しかも石油臭で充満していました。湯に顔を近づけると臭いは
さらに強烈。石油というより灯油のにおいでした。飲泉可らしいので帰り際に湯口の湯を飲んでみると、
意外にも濃い塩分が含まれているようでしょっぱかったです。
すっかり暗くなった夜道を歩き、20時前の快速くびき野で一気に直江津へ。この電車は特急車両が 使われていますが快速扱いなので18きっぷで利用可というすばらしいもの。ほぼ自由席なので指定券を取る 必要もありません。さすがに帰宅時間帯なので座席は8〜9割の埋まり具合でした。あまりの快適さに 知らぬ間にうとうとうと・・してしまい、気づいた頃には空席が目立つようになっていました。 直江津到着は21:53。いよいよここからJR西日本エリアです。とはいっても夜も遅いので今夜は 直江津泊ですか?いえ、違います。西日本パスを存分に生かすため、夜行列車の「急行きたぐに」を利用します。 これに乗れば、明日の朝には大阪入り。急行なので18きっぷでは乗れませんが、日付を跨げば西日本パスの 有効開始!なので特急でも急行でも乗れます。ただ寝台は西日本パスでは利用不可。幸いにも自由席とグリーン車が 連結されているので、そちらなら問題なく西日本パスで利用できます。きたぐにの直江津発は0:55。 車両は知る人ぞ知る583系。国鉄時代に造られた、昼は座席特急、夜は寝台に変形できる世界初の寝台電車です。 3段寝台、特急なのにリクライニングなしのボックス席・・と結局企画倒れとなり、その後数奇な運命を 辿る事となった珍車です。しかもグリーン車の座席のグレードはあまり高くありません。グリーン車客が全員 西日本パス利用者に見えてくるのですが、普段の入りはどうなんでしょう?自由席は1ボックスに1人の入りでした。 車内探検を十分に済ませ、これで朝には大阪に到着です。ただ、くびき野で寝てしまったせいか、なかなか寝付けず、 福井あたりまで起きていました。 ところで、くびき野で直江津に着いてからきたぐにで発つまでじつに3時間もの待ち時間がありました。 真夜中の直江津、どうやって時間を潰したかというと、ガストで粘っていました。初日からハチャメチャな展開です。 | |