0系引退記念!惜別の広島旅行         












来る11月30日に、初代新幹線車両0系が営業運転に幕を下ろすということなので、 最後のお別れのために乗ってきました。0系は東海道新幹線は数年前に引退しており、 山陽新幹線の「こだま」に僅かながら使用されているという既にレア車種となっています。 私はいわゆる「葬式鉄」ではないのですが、0系の愛嬌ある団子鼻と高度成長の象徴という ノスタルジー?に駆られ、乗り収めておくことにしました。東海道・山陽方面はあまり 訪れていないですし、0系の新幹線に乗ったことが幼少期の記憶の一つなので・・ と、自身の郷愁と新たな時代の幕開けとかなんとか理由付けしておきます。 とはいえ大枚はたいて行くため、ついでに世界遺産の宮島などの広島観光もつけることに しました。ということで、目的地は広島です。

東京駅で発車を待つサンライズ号
ノビノビ座席外観

岡山までは寝台特急サンライズ号を利用します。初めてのサンライズ号、新しく明るい感じの 車内です。今夜のお部屋は・・雑魚寝のノビノビ座席。。これでも学生には結構響く出費です。 一応学割と特急&新幹線の乗り継ぎ割引で多少安くはなっていますがね。社会人になったら 個室で寝てみたいです。あ、でも社会人になったら寝台特急でのんびり行く時間なんてない・・。 結局、飛行機利用が多くなりそう。そう考えれば沖縄は遠くて近いかな?いづれにしても、 時間とお金のジレンマが解決するのは定年後ですかね・・なんて考えながら一通り車内探検を 済ませ、ミニラウンジで巻き添えで連れてきた友人と出発記念のささやかな宴。電車が揺れるので 酔いが回るのが早く経済的に飲めます。その後自分の寝床に戻り、岡山到着まで就寝。

ノビノビ座席

寝台ではなく指定席扱いです

個室では一番安価なB寝台ソロ

ラウンジにて酒と肴を広げ・・

列車の旅に興奮していたのか、暖房が効きすぎだったためか、 はたまた二つ隣の人のいびきがうるさかったためか・・あまり眠れませんでした。 東海道区間で何度も目が覚め、名古屋あたりでトヨタのコンテナ列車も目撃しました。

で、夜が明けたので、車掌氏より購入しておいたカードを使ってシャワーを浴びにいきます。 空いているときに利用でき、計6分間お湯が出ます。さっぱりして一応眠気も取れたところで、 6時半に岡山到着です。

岡山に到着し新幹線ホームへと急ぎます。しかしまだ時間があるため、ホームには先発の 700系ひかりレールスターが停車していました。この後、0系の入線です。ということで、 先頭位置と思われるところで待っていると、警備員がぞろぞろ・・さすがの厳戒態勢です。 でも今日はそれほどギャラリーは多くありません。これが最終日だと、それこそ怒号が飛び交う 修羅場と化すでしょう。そうしているうちに、0系がやってきました。それまで何食わぬ 顔をしていたサラリーマンらがカメラや携帯を取り出し、そうでない人も引退間近を 知ってか知らずか、今となっては希少な0系に視線を向け、0系は一躍周囲の注目を集め ゆっくりとホームを滑り、停車しました。こうして騒々しい中郷愁を感じる余裕もなく、 岡山7:23発のこだま629号に乗り込みます。

シャワールーム

700系ひかりレールスター@岡山

0系とご対面!

視線が注がれる団子鼻の先頭部

乗ってみて感じたのは、意外なほどの乗客の少なさ。いくら平日とはいえ、あと数日で いなくなってしまう0系ですよ?他のなんでもない車両ならともかく、「夢の超特急」と 当時皆が憧れを持ち、斬新かつ愛嬌あるデザインで新幹線の代名詞ともなった0系なら、 鉄道ファンならずともお名残乗車しに来てもいいとおもうんですがね?それとも世間は 早く引退して欲しいオンボロ列車としか見てないのでしょうか?

とまあ、世知辛さなのか自分がマニアなだけなのか考えるうちに、一つ大事な点に 気づきました。それは、「こだま」の不便さ。そもそも、新幹線のダイヤは 対航空シェアを意識して「のぞみ」シフトが顕著で、「こだま」は本数も少なく、 しかも「のぞみ」や「ひかり」に追い越されるため 途中駅で待避するので、駅での停車時間が長いのです。たまに2本連続待避なんてのも あります。そんなわけですから、今や岡山〜広島間という比較的短距離でも通しで 「こだま」を利用する人は少なく、主要駅で「のぞみ」や「ひかり」に乗り換えるのです。 「のぞみ」趨勢の現在、新幹線といえば「のぞみ」であり、「こだま」は新幹線というより 「(新幹線内)各駅停車」なのです。しかも途中駅での停車時間が長く時間がかかるという イメージが定着しているのでしょう。ですから、外から0系を眺めることはあっても、 一般の人にはそれで十分で、わざわざ時間のかかる「こだま」の0系には乗車しないのです。 そういう意味では、岡山から広島に「こだま」で向かう自分たちは傍から見ればヒマ人か、 マニアと捉えられるのです。もっとも最終日は「さよなら」特需で満席になると思いますが。 0系の「こだま」だけは。

とまあ、0系の悲しい末路を書き綴ってしまいましたが、途中駅で停車時間があるという ことは、また撮影するチャンスがあるということです。さらに、駅弁などを買うチャンスも あるということです。ということで、東広島(だったかな?)で長時間停車するというので 車外に出て、写真を撮ります。ちょうど先頭車両が自由席で、そこに座っていたので すぐです。・・・おや?さっきはなかった赤いなにかが・・・。どうやら鳥を轢いたようです。 でまあ、写真を撮っていると、ちょうどN700系がものすごいスピードで通過!そして、 偶然にも0系と最新型N700系のツーショットが撮れました。これは狙ってもなかなか撮れるもの ではないんじゃ?と満足し、車内に戻りました。次は広島です。

ガラガラな車内・・

途中駅にてしばし待避

赤い何かが・・

真横から

先頭形状の進化がよくわかる写真

(・○・)<ショボーン


0系にお別れし、広島に着いたのは9時前。ここから山陽本線で宮島口へ行き、 まずは宮島へ向かいます。宮島口から宮島までフェリーで10分。しばしの船旅の間に 厳島神社の鳥居を撮影。一見の価値ありです。で、その厳島神社を訪ねたいところですが、 なんと宮島での滞在時間は10分(笑)。15時過ぎの新幹線で帰るので先を急がなければ なりません。そんなわけで帰りのフェリー内で急いで駅弁を食べるという効率的な行動を 実践し、今度は路面電車で広島市街地へと戻ります。

一路博多へと向かう老体の0系

宮島口フェリー乗り場

フェリーより

海上の鳥居

海上の鳥居2

広島市街方面

広島駅で購入した勇退記念弁当

路面電車で広島市街へ

バリアフリーな車内

路面電車のある街


なんだかんだで昼過ぎ。昼食は広島風お好み焼きにしよう!ということで、新天地で なんて名前か忘れましたが、ビル一つすべてお好み焼き店というところへ行って みることにしました。しかし、あたかも観光客向け・・という感じであったのと、 平日ということもありビル全体閑古鳥が鳴いていたので、近くの普通の店に入りました。 お味のほうは・・ちょっとこのレポートを書いている頃には時が経ちすぎてしまい、 すっかり忘れてしまいました。まあ、とりあえず広島で広島風お好み焼きを食べれた というだけでも満足し、ふたたび路面電車に乗り広島駅へ。

お腹も満たしたところで、今度は広島から電車に乗り数駅離れたところにある瀬野駅で 降りました。後ろに丘陵が迫ったなんでもない住宅地です。しかしここには、おもしろい 乗り物があるのです。その名も「スカイレール」。モノレールのような、ロープウェイの ような無人運転の乗り物です。これは、急な丘の上にある住宅地とを結ぶ正真正銘の公共交通機関で、 勾配や強風に強いためこのような形態の乗り物が採用されたらしいです。で、これに乗るためにわざわざ やってきたのかというと、その通り(笑)。かなりマニアックです。まあこれは、付き添い友人の 希望で、という風に言い訳しておきます。結構高いところを走っているので、眺めもよく、 急勾配なので意外とスリルがあります。子供はこういうの喜ぶと思います(ってことは私も子供?)。で、 もちろん道路の方も急勾配なので、これで自転車通勤したら結構な体力がつきそうです。

ということで、なかなかマニアックな内容の広島旅行も終わり。後は広島駅に 戻り、新幹線で帰ります。すると、なんと偶然0系こだま号を見掛けました!0系列車は 一日に数本しか走っていないのに、これはラッキーです。混み始める時間なので朝よりも 人は多く、老若男女問わずカメラ&携帯を向けていました。去り行く0系の姿を見守り、 自分たちは700系のぞみ号で一路東京へ。700系の車内では駅弁食べた後ほとんど寝てました。寝台列車よりも 新幹線の方が寝れる??ま、そのときの状況次第でしょう。こうして無事に高崎に帰り、 郷愁の余韻を感じる間もなく現実世界へと戻るのでした。0系よ、ありがとう!!
新天地広島風お好み焼き

スカイレール瀬野駅

ゴンドラ車内

対向車

いい眺め〜

いい眺め〜2

0系アンコール!

宮島口の名物駅弁「あなごめし」